愛知県豊田市の松平郷には徳川将軍家のルーツ、初代松平家の親氏や家康公を主な祭神として祀る八幡神社「松平東照宮」が鎮座します。この神社では毎年、家康公の命日にあたる4月17日の直前の土曜・日曜に権現祭(春まつり)が行われ、多くの観光客を集めています。初日は「試楽祭(しらくさい)」が行われ、夕暮れから至る暗闇夜の神秘の境内で、「お水取り」の儀式が催されます。この儀式は、松平親氏や家康公が産湯として使われた井戸で行われ、宮司・神職をはじめ高月院住職や徳川家末裔のゆかりの方々がその「御水」を汲まれ、「御水」の状態でその年の行く末が占われます。松平郷内では、この儀式の後、かぶる火の粉にひるむことのない男たちによる「手筒煙火」や松平音頭の踊りなどの奉納があり、幻想的で、またにぎやかな春の夜が過ぎていきます。